1億円を貯めるシミュレーション



仮に1億円をコツコツと毎月貯金を積み立てることで貯めようと思ったら、いったいどれくらいの時間がかかるのでしょうか。現実的な時間でたまるものでしょうか。ちょっと1億円貯めるシミュレーションをしてみましょう。

毎月定額積み立てで1億円貯めるシミュレーション

まず話を簡単にするために、利子は考えず、単純に毎月定額を貯める場合の計算シミュレーションです。

毎月貯める額 年数
10,000 833.3333
25,000 333.3333
50,000 166.6667
75,000 111.1111
100,000 83.33333
150,000 55.55556
200,000 41.66667

毎月1万円の貯金では、なんと、833年以上。毎月20万円でも41年以上かかります。毎月20万円貯めるというのは、特に若い人にはとても無理な金額ですから、単にコツコツ積み立てていればよい、というわけにはいかないことがシミュレーションからわかります。

複利計算で1億円貯めるシミュレーション

そこで次は利回りを含めて計算します。毎月積み立てた金額に利子が付くと考えてください。利子が複利で増えると仮定したシミュレーションです。1万円ずつの積み立てでは、さすがにお話しにならないので、毎月5万円ずつ積み立てると仮定しています。

なお、計算を容易にするために、1年分をまとめてから年利で計算してあります。ですから、厳密な計算と以下のシミュレーションとでは多少のずれがあることをお断りします。

利回り(%) 20年目 40年目
0.1 12,115,298 24,474,607
0.25 12,290,894 25,209,576
0.5 12,590,767 26,498,953
1 13,218,651 29,340,669
2 14,595,904 36,267,167
5 19,915,381 72,681,007
10 34,731,954 268,024,220
15 62,747,009 1,088,417,419
20 115,846,560 4,553,291,861

利回り20%で運用できれば、20年目で1億円を突破します。15%なら24年目、10%なら31年目で1億円が貯まります。利回りがそれ以下だと、40年たっても1億円には手が届きません。

もちろん毎月貯める金額を5万円ではなく、倍の10万円にできれば、上の表の2倍になりますから、5%の運用でも、40年目になれば1億円は超えていることになります。

一方、現在のような超低金利の預貯金に預けているだけだと、銀行預金の年利回りは1%ありませんから、毎月相当の金額を貯め続けないと、40年くらいで1億円にはなりません。(少しリスクを取って株式の配当金や、ソーシャルレンディングなどで運用すれば、5%くらいの年利回りは確保できるかもしれません。)

仮に25歳から貯蓄を始めて65歳までの40年間を目標にする場合、25歳からいきなり毎月25万円貯めるのは、普通の人にはほとんど不可能です。無論将来高給取りになれれば毎月25万円だって十分に可能な数字ですが、若い時からは無理。

年齢に応じた戦略変更を

若い頃は金額は少なめにして、その代り高利回りを狙った運用をしていかないと、目標にはなかなか到達できないということです。逆に年収が上がったら、さほど無理をしなくても、金利が低い運用であっても目標には近づくことができます。

金利が高い運用は一般的にリスクが高く、金利が低い運用は一般的にリスクは低くなります。つまり、若い時にはリスクをとり、年をとったら金額を増やしてリスクを減らす、という運用ですね。実はこうした運用の仕方は、とても理にかなったものです。

リスクの高い金融商品の場合、短期決戦で臨むと、博打に近くなってしまいます。ところが時間を置くと、リスクが相殺されてそこそこの運用利回りを得られる確率がずっと高くなります。人生に時間がたっぷり残された時からの運用では、時間を活かしたリスクをとり、人生残り少なくなったらリスクを抑えるのは合理的です。

このあたりのことは、「ウォール街のランダム・ウォーカー」という本に1章を割いて説明されています。