資産とは何か

資産とは何か?

一般的には不動産など、金銭的価値のある「もの」のことを指すとされています。家を買う時にも、大勢の人は資産を手に入れた、と考えています。

これに対してロバート・キヨサキの有名な著書「金持ち父さん貧乏父さん」には全く別の定義が書かれています。いわく、「持った時から正のキャッシュフローをもたらすものが資産。負のキャッシュフローをもたらすものが負債。」

この定義だと、自分用の住宅は、買った時から維持費や固定資産税が出て行きますから、明らかな負債。資産とは言えないわけです。

そしてロバート・キヨサキが言う豊かになる秘訣は「資産を多く持つこと」。ここで言う資産はもちろん「正のキャッシュフローをもたらすもの」です。一攫千金ではなく、常に流れ込んでくるキャッシュを確保すること、そしてさらに資産を持つべく努力すること。こうすることによって、複利の原理で資産からのキャッシュフローがさらに資産を生み出し、次第に豊かになる、というわけ。

これに対して、世間にある「住宅ローンに追われる」というのは、負のキャッシュフローをもたらすものを購入するために、借金をして返済と利払いという、さらなる負のキャッシュフローを抱え込むこと。苦しくなって当たり前ですね。

無論ロバート・キヨサキは「家を持つな」と言っているわけではありません。何が本当の資産であり、負債であるかを把握することが重要、と言っているわけです。

ロバート・キヨサキが本の中で紹介している資産の代表例は賃貸用の不動産です。転売用の不動産は値上がり期待の博打のようなものですが、賃貸用の不動産は、不動産本体の値上がり・値下がりに関わらず、かなり安定したキャッシュフローをもたらしてくれます。

安定したキャッシュフローがあれば人の生活が安定するのはもちろんのこと、余裕が生まれたら、それをさらなる資産の購入に用いる。

逆に世間で言う「資産運用」は、多くの場合「値上がり期待」だけど「値下がりのリスクもある」金融商品を含めての運用のことを指し、従って「リスク分散」というようなことを考える必要があります。ところが、値上がり・値下がりに着目するのではなく、「キャッシュフロー」に着目するのであれば、運用方法はかなり異なったものになるかと思います。

投資家として有名なバフェット。値動きの激しい株にはほとんど投資せず、バリュー株に長期間投資する投資方法で有名です。長期間投資する、ということはどういうことか?株の売買を伴いませんから手数料などの負のキャッシュフローは最小限。その一方で比較的安定した配当収入、つまり正のキャッシュフローを得ていると思います。正のキャッシュフローはどこへ使うか。また次の投資に回します。

投資利回りが5%確保できると、約14年で投資した資金は倍になります。28年で4倍、42年で8倍です。投資利回りが10%確保できると、約7年で倍になり、42年だと64倍!です。これは元本を増やさない場合の話ですから、働きながら投資のための元本を増やして行けば、当然さらに加速します。

では、資産となりうるものは何か?賃貸用不動産が代表ですが、不動産の購入にはある程度まとまった資金が必要です。

少額からできる資産運用としては、比較的安定している企業の株、最近注目されているクラウドファンディングなどもありますし、インターネット時代の現代では、人気が高くて広告収入が得られるホームページやブログなども資産として挙げられるかもしれません。また、継続して印税収入や利用料が得られる著作物などを所有することも、資産を持つことと考えることができます。